2017年2月19日日曜日

台湾の鉄道に乗りまくったお話 3日目

-台湾新幹線で高雄へ-

2016年6月10日、曇り空が広がる早朝の台北は少し涼しい。



今日は高雄へ行き、台湾初の路面電車に乗る予定だ。

早朝5時30分に台鐵の台北駅に来た。
台湾新幹線の台北駅も、台鐵の台北駅と同じところにある。

ところで、ガイドブックなどでは台湾新幹線とよく書かれているが、現地での案内板などには新幹線の文字は見られない。
一般的には「高鐵」と呼ばれているようで、英語表記だと「HSR」とか「THSR」とか書いてある。
ということで、現地の表記に倣って、このブログでも「高鐵」と書くことにしよう。



高鐵の朝は少し遅い。
日本の新幹線は始発がだいたい朝の6時ちょうどくらいからだが、高鐵は6時30分頃から始発が走り始める。
時間は6時前だが、窓口はご覧の通り開いていない。

それにしても高鐵も立派な高速鉄道だし、台北駅というターミナルなのに窓口が小さい。
ほかにも窓口はないのかうろうろしていたら、地下に大きな窓口や券売機があった。
1階のこの窓口より、地下の窓口を利用した方がいいかもしれない。



午前6時ちょうど。一斉にシャッターが開き始め、高鐵の1日が始まった。
ほとんどの人は窓口に並んだが、券売機でも切符が買えるし、ネットで予約した場合もここで受け取ることができる。
券売機は言語を英語に切り替えることができるので不便はない。
買い方も乗車駅と降車駅、乗車する列車を選ぶだけなので、下手をしたら英語の方が分かりにくいかもしれない。中国語の方が、正確な意味は分からなくても漢字を見ればなんとなく分かるし、地名などは特に英語にすると分かりにくく感じた。

ネットで予約していた切符を券売機で受け取り、改札に入ろうとしたら、改札機がピンポンピンポン鳴り始めた。
え、なんで乗れないの?と思ったら、おじさんの駅員さんが少し呆れた感じで向こうの方を指さす。
間違えて「台鐵」の改札に入ろうとしてしまったようだ。
台鐵の改札も高鐵の改札も隣り合っているので、気をつけなければ・・・。

改めて高鐵の改札を抜け、売店でパンを買った。

ホームへ下りて新幹線を撮影したいが、階段やエスカレーターにはロープが張ってある。

しばらく様子を見ていたが、どうやら発車時刻の10分ぐらい前にならないとホームには下りられないようだった。
列車の案内の放送が流れたあと、駅員さんがロープを外していた。

自分が乗る列車の案内が流れるまでベンチで休み、ホームに入っていいと案内が流れたので、どんなものなんだろうと期待しながら階段を下りた。



高鐵台北駅のホームは残念ながら有効長がギリギリで、列車の顔が撮れなかった。
側面しか見れないが、それは紛れもなく新幹線だった。



車内に入ってみると、やはり新幹線だと感じさせるこの雰囲気。
本当にここは台湾なのだろうか。



座席の背面に書かれている案内も、日本の新幹線と同じだ。
ただ、当然ながら中国語なので、そういうところに外国を感じることができる。



日本の新幹線と変わらない台湾高鐵において、最も外国だということを感じさせてくれるのがこのハンマーの存在だ。
緊急時にはこのハンマーで窓をたたき割り、脱出するのだ。
これは日本の新幹線にはついていない。



日本の新幹線との違いはほかにもないかといろいろ見ていたが、やはり南国ということもあってか、エアコンの吹き出し口が連続して並んでいる。

さて、7時ちょうどに高鐵は発車した。
高雄まで各駅に停まるタイプだ。

台北から高雄に行くのなら速達タイプが当然早いのだが、高雄へ行く前に嘉義に寄る用事がある。



売店で買ったパンは、パッケージこそ違うものの日本でも見かけるようなパンが並んでいた。

ほかの乗客はどんなものを食べているのだろう。
パッと見た感じ、果物を食べている人が多い。そういうところにも南国を感じる。

高鐵の走り心地は日本の新幹線と同じような感じで、特に変わったところもない。
本当に東海道新幹線に乗っているような感じがするが、外を見ると日本とは全く違う風景が広がっているので、ここが台湾だなと認識させられる。



1時間半ほどで嘉義に着いた。
ここでやっと新幹線の顔を見ることができた。
700系新幹線がベースなので、当然見た目は700系だ。



ホームからは嘉義の街が見える・・・ことはない。
畑なのか空き地なのか分からないところがほとんどだ。
高鐵嘉義駅は嘉義の中心部からはかなり離れている。
高鐵嘉義駅に限らず、高鐵の駅は中心部から離れてる場合が多いので、利用するときは駅の立地も調べておかなければ大変かもしれない。
場合によっては台鐵で行った方がアクセスがよく、所要時間もほとんど変わらない場合もある。



駅のホームもまっすぐ。
写真では分からないが、駅員さんがちゃんと指差し確認をして列車を見送っていた。



高鐵嘉義駅のコンコースは大きくはないが、コンパクトにまとまっている。
ちょっと空港っぽい感じがする。



駅舎の外観はなんだか美術館のようだ。



駅前にぽつんとあるバス停。
ここから台鐵嘉義駅への連絡バスが出ている。
ちなみに、高鐵を利用した人は無料で乗れるのだが、もしかしたらそのキャンペーンも終了してるかもしれないので行くときは一度調べた方がいい。

あと、高鐵は日本の鉄道と違うところがあって、自動改札機に入れた切符が回収されることはない。これはどの高鐵の駅でも同じだ。
改札を出るときも切符が出てくるので、忘れずに取ろう。
そうしなければバスの運転手さんに高鐵を利用したという証拠が提示できず、無料でバスが使えなくなる。

-親切な台湾の人たち-


先ほどのバス停でほかの人たちに続いて並んでいると、おばあさんが一人ずつ順番に話しかけている。
もちろん台湾語かもしくは中国語なので、私には分からない。
おばあさんは当然、ぼくにも話しかけてきた。
やはり、なにをいってるのかさっぱり分からない。
英語も通じそうにない。

嘉義は台湾の一大観光地である阿里山の玄関口で、みんなここから阿里山森林鉄路やバスで阿里山へ行く。
だから、バスやタクシーなどの斡旋をする客引きがいてもおかしくない。
ぼくは、今日は阿里山には行かないよと英語で言ったのだが、英語は通じなかったし、おばちゃんもさらになにやら言ってくるので余計に困った。

おばちゃんはぼくを飛ばして、次の人に話しかけた。

別にたいした用でもなかったのかな。
そう思って安心していたのだが、列の最後まで聞き終えたおばちゃんはもう一度ぼくのところへ戻ってきた。
しかし、やはりなにを言っているか分からない。

ここら辺で、列に並んでいた台湾の人たちがなにか言い始める。
ぼくを抜きにして、みんなであーだこーだ言っている。
なんかとんでもないことになったなぁ。

しばらくして、列に並んでた人の中から英語の話せる40代くらいの女性が出てきた。
お友だちも一緒のようだが、そちらの方は英語はほとんどダメらしい。

どうやら、やはりおばちゃんは阿里山へ行くかどうか聞いているらしいのだが、ぼくの英語力が低すぎるのか阿里山へは行かないと言うことが通じない。
バスよりタクシーの方が早いよ、とか言われる。

困ったのでこれから嘉義駅に、明日乗る阿里山森林鉄路の切符を受け取りに来たのだということと、それから高雄へ行くことを、嘉義から高雄までの台鐵の切符を見せたり阿里山森林鉄路の予約画面を印刷したものを見せたりして説明した。
しかしそれが余計に混乱を招くことに。

高雄へ行くなら高鐵に乗ったまま終点まで行けばいいのよ、というようなことを言われた。

確かに仰る通りで、わざわざ嘉義で降りて、台鐵に乗り換えて高雄に行くような妙な人はそういないだろう。
彼女らからしてみれば、妙な日本人だなという感じかもしれない。

さて、高雄に行くのが最大の目的ではあるのだが、阿里山森林鉄路の切符を受け取りに来たのも大事な目的のひとつだ。
説明したはずだが、うまく通じてなかったので混乱を招いたのだろう。
もう一度資料を見せつつ説明すると、なんとか理解してもらえたみたいでひと安心。

ぼくの目的が通じたあとは、一人で台湾に来たのかとか、いつまで滞在するのか、どこへ行くのかとか、そういうありふれた話をした。

そうしているうちにバスが来た。

運転手さんに高鐵の切符を見せると、カードが渡される。
これは降りるときに運転手さんに渡せばいい。

バスはまっすぐな道路を走った。
30分ほどで台鐵嘉義駅に着いた。

先ほどの女性二人組が、こっちだと案内してくれる。
なんと、ありがたいことに駅の中まで案内してくれて、さらに阿里山森林鉄路の切符の受け取りまでやってくれた。

この阿里山森林鉄路の切符の予約と受け取りに関してはかなり不安があった。
ネットにも詳しい情報はない。もし、受け取ることができなければ阿里山森林鉄路には乗れなくなる。受け取るのも中国語が分からなければ苦労するだろうと思っていたので、本当に助かった。

ただ、女性二人組は、ぼくの印刷してきた予約画面を台鐵の窓口で見せて、ひと言ふた言話しただけなので、実はそれほど苦労するようなことでもなかったのかもしれない。

阿里山森林鉄路の切符を受け取り、女性二人組は去っていくのかと思ったら、ぼくが乗る予定の高雄行きの列車は何番線から出るだとか、階段を下りていくんだとか、まだ少し早いから電光掲示板には表示されてないけど、もう少ししたら表示されるはずだとか、ちょっとお節介と思われるくらいあれこれと案内してくれた。
お二人は時間は大丈夫なのか気になったが、時間はあるとのこと。それならいいんだけど。

女性二人組にお礼を言って別れた。

噂には聞いていた。
台湾の人はとても親切だと言うこと。
なにかあれば、なぜか当の本人はほったらかして、あーでもないこうでもないと周りの人たちと話し始めること。
まさか自分にもそれが起きるとは思ってもいなかった。だから本当に驚いた。

日本に来た外国人が道を尋ねて、日本人が目的地まで一緒に案内してくれてびっくりしたなんて話はよく聞くけど、実際にやられてみたらこんな感じなんだろうなと思った。


-高雄は雨-

嘉義駅のホームに入る。
一番端のホームには明日乗る阿里山森林鉄路の列車が止まっている。
雨の多い台湾だから、雨が降っていない今日に乗っておきたいところだが、予定通り高雄を目指す。



高雄まではこの莒光号に乗る。
本当は特急に相当する自強号に乗りたいところだけど、古い車両が好きな自分には莒光号もぴったりかもしれない。
そもそも日本ではなかなか客車列車にも乗れない。

莒光号を牽引する電気機関車は古いが、まだまだ主力らしくよく見かける。
モーターもつりかけ式なので、あの独特の音が聞ける。
ただ、一番前の客車にでも乗らない限り聞こえないが。




客車も古いが、しっかり整備されている感じでした。
座席もきれいだし、傷みなども見られなかった。



車内に取り付けられている銘板を見て、中華民国68年ってなんだ!?と思う。
このときまで民国紀元というものを知らなかった。
中華民国ができた1912年を元年とするそうで、つまりこの車両は1980年に製造されたことになる。

日本の鉄道車両も古いものは「昭和○○年製造」とか書いていたりするので、台湾の鉄道ファンからすれば、昭和ってなんだよ!って同じようにびっくりしたりするのだろうか。

嘉義を発車してしばらくすると、車窓からUFOのような形をした巨大な建物が見えた。
北回帰線が通っているところで、つまり熱帯に入ったわけだ。
熱帯に入ったからと言ってすぐに景色が変わるわけではないが、何かの境界をまたぐというのはなぜかワクワクする。



台湾には日本の駅名と同じ駅名がいくつもあるが、そのひとつの岡山駅(ガンシャン)手前から激しい雨が降り出した。
6月なので台湾も梅雨の時期だが、日本と違ってしとしとと1日中降るわけではない。
スコールのような激しい雨が1~2時間降る。そんな感じだ。



嘉義から2時間ほどで高雄に着いた。
思っていたより快適な乗り心地だったのでまだ乗っていたい気分だが、終点なので降りなければならない。


-台湾初の路面電車に乗る-

高雄に来たのは、台湾で初めてとなる路面電車に乗るためである。
高雄捷運環状軽軌はその名の通り、完成すれば環状線となる路面電車で、1周22.1km、36の停留所が作られる予定だ。
私が訪れた2016年6月現在は籬仔内(C1)~凱旋中華(C4)のわずか2kmほどを走っているだけで、あくまで移動ではなく体験してもらうためなので運賃も無料だった。厳密に言えば正式開業もしていない。
しかしその後、運転区間も延長されているので、もしかしたら無料で乗れなくなっているかもしれない。訪れる際は最新情報を調べてみてください。

さて、環状軽軌は高雄駅前を通るわけではない。
まずは地下鉄に乗って凱旋駅へ向かう。そこが地下鉄と環状軽軌との乗換駅になる。
なお、環状軽軌の方は凱旋駅という名前ではなく、前鎮之星駅という名前になる。

地下鉄の改札に悠遊卡(EASY CARD)をタッチするが反応しない。
悠遊卡は台北の地下鉄はもちろん、台鉄や台北以外の都市のバスなどでも使えるので、高雄の地下鉄でも使えるものだと思っていた。
しかし、どうやら高雄市だけは別の規格のICカードを作ってしまったようで、それを買うか切符を買うしかない。
※2016年7月より悠遊卡も使用可能になりました

高雄市の地下鉄やバスで使えるICカードは一卡通(iPass)と言う。
それを買うために改札機の横にある案内所の列に並ぶ。
なぜかすごい混雑で、行列も長い。
しかも中途半端に進んだところでトイレに行きたくなった。



トイレを我慢しつつもなんとか一卡通を手に入れた。
特にこれと言って特徴のないデザインだ。もしかしたら限定デザインとかあるのかもしれないけど、それを聞くほどの中国語も英語も分からない。



急いでトイレに行った。
それで見つけたポスターがこれ。
台北ではマナー啓発ポスターなどに萌え系のイラストを使っているのは見なかったが、高雄はこういうのにかなり積極的みたい。
ちなみに漢字から分かるかもしれないが飲食禁止というとこで、このあたりのルールは台北の地下鉄と同じようだ。



こういった感じで広告などにも使われている。



地上に出るとちょうど路面電車が走ってきた。
思っていたよりでかい。

まだ正式開業もしてないということで、乗るにはなにか手続きとか必要なのか気になった。
さっきの写真の左側に地下鉄駅への階段があるのだが、その横には長い行列ができていた。
もしかして路面電車に乗る人たちなのかな?と思ったが、どうやら夢時代というショッピングモールへ向かうシャトルバスの列だった。

路面電車に乗るのは後に置いといて、まずは線路沿いを歩いてみることにした。
営業してるのは2kmほどだから十分歩いて見ることができる。
大雨のピークは過ぎた感じだが、それでもまあまあ粒の大きい雨が降っていた。


電車なのに架線がない。
高雄捷運環状軽軌は蓄電池で走行するので、架線を設置する必要がない。
おかげで景観を損なうこともなく、空もすっきりしている。
軌道も緑化軌道でさわやかな感じだが、排水設備がどうなっているのかわからないが、雨のせいでレールが水没してるようなところもあった。走行には問題のない程度だけど。



停留所はシンプルだ。
屋根の軒先から細長い棒が吊されている。ここに電気が流れていて、電車は停車中にパンタグラフを上げてバッテリーに充電する仕組みになっている。



近くで見るとこんな感じ。



線路の両側は歩道になっていて、その隣が車道になっている。
写真を見る限り、しっかり整備されて使いやすそうに見えるけど、車道はかなりでこぼこしていて水溜まりになっている。車も結構飛ばしてるので、雨の日は水を被らないように注意しなければならない。



交差点の横断部分にある路面電車用の信号機。停止を示している。



台湾初の路面電車ということで、ここに電車が走ることを知らないドライバーも多いのだろう。
事故防止のために、電車が通過する時間になると警備員が出てくる。



現時点で終点の凱旋中華(C4)に着いた。



奥の方には車庫がある。
車庫内には架線が見える。



ホームにも萌えイラストが。





雨の日だからこそ気づいてしまった。
ホームの屋根と壁に隙間があるので、そこから雨が入り込んでくる。ベンチはびちゃびちゃになっていた。
雨の多い国なのだから、このあたりどうにかならなかったのだろうか。





この環状軽軌に限らずだが、駅ではよく日本の観光地の広告を見かける。
かなり積極的に呼び込んでいる印象を受けた。

さて、帰りは実際に環状軽軌に乗ってみようと思う。
しかし、乗り方がよく分からない。
有料ならカードリーダーにタッチするだけだが、今は無料期間だ。だからこそ勝手に乗っていいものなのか迷う。
たまたま近くに踏切の警備員さんがいたので、予約とかしてないけど乗っていいのか聞いてみた。どうやら勝手に乗っていいらしい。



電車がやってきた。
この角度だと車両の長さが分かりにくいので別の写真を・・・。



環状軽軌の車両はスペインCAF製で、車体長は約34メートルもある。
日本の路面電車で一番長いのは広島電鉄のグリーンムーバーだが、それでも約30メートルなので相当長い。



車体幅も広いので、クロスシートでも窮屈さはない。
これはちょっとうらやましいなぁ・・・。



電車から乗り降りするときはボタンを押すとドアが開く。
日本と違って閉めるボタンはなく、一定時間経てば自動で閉まるようになっている。



ガラスに反射して分かりにくいが、ワンハンドルタイプのマスコンになっている。
手前に引けばブレーキがかかり、奥に倒せば加速という、日本とは逆の操作になる。



地下鉄との乗換駅である前鎮之星駅まで戻ってきた。
ほかの駅と違ってちょっとおしゃれだ。

-鉄道資料館を見学-

鹽埕埔駅(イェンチェンプー)に来た。
打狗鐵道故事館に行くためだが、最寄り駅は次の西子灣駅(シーヅーワン)だ。
ひと駅手前で降りて、遅くなったがお昼ごはんを食べようと思う。



入ったのはこの黄色の看板のお店。名前の通り、牛肉麺のお店です。
実は近くに港園牛肉麺館というそっくりな名前の有名店があるのだが、さすが有名店だけあって16時前なのに満員だった。



しかし、本家ではないにしても十分おいしかった。
お肉は柔らかいけど噛み応えも適度にあったし、スープも香辛料とか独特の匂いはなくて食べやすかった。
牛肉麺は汁なしの方がおいしいという話だったので汁なしを頼んだのだが、汁がないと言えばないし、あると言えばある感じの微妙な感じのものが出てきた。これははたして汁なしだったのだろうか。謎だがおいしかったのでわりとどうでもよくなった。

ちなみに日本語のメニューもあったと思う。そもそも品数が少ないので、注文に困る可能性はあまりないかもしれない。



再び地下鉄に乗って1駅だけ移動する。
終点の西子灣駅で下車。
ここは昔の高雄港駅があった場所で、今は打狗鐵道故事館として保存されている。もちろん見学できる。

ちなみに打狗(ターカウ)とは高雄の元々の名前である。
なぜ打狗から高雄になったのか大雑把に言うと、日本統治時代に、「犬を殴ってるような縁起でもない字面だな」ということでターカウの発音に近い、日本にもある地名の高雄を当てた。
当然、高雄を中国語読みすると「たかお」にはならず、カオシュンと読む。なんだか時代に翻弄されている。



打狗鐵道故事館の入口。
博物館として少し手を加えられてはいるが、建物自体は現役当時のまま。



駅の中には本や写真、制服、小物などの資料がたくさん並べられている。
日本の鉄道雑誌も大量にあった。さすがに読んでいる時間がなかったので読まなかったが、かなりのバックナンバーがそろっていたので時間があれば読んでみたかった。



運賃表。



駅から出ると保存車両が現れる。
このDT609は日本の9600形蒸気機関車と同型式だと言うが、実は蒸気機関車のことはほとんど分からない。



ぼくとしてはこういう車両の方が気になる。
蒸気機関車の方は人気があるが、この車両を見る人は少ない。
ちなみに日本製です。



台湾でも残り少なくなった旧型客車。
形式は違うかもしれないが、台湾東部に普快車としてわずかに残っている。





とにかく広い。さすが貨物駅だっただけはある。



変わった形をした客車がいた。
検測用の車両かと思ったが、電源荷物車だった。



生活の匂い、仕事の匂いが感じられるものっていいですね。
古いコンクリートの建物にエアコンの室外機、小さい窓。



打狗鐵道故事館をあとにして地下鉄に乗り、美麗島駅(メイリータオ)で降りる。
この駅のコンコースはガイドブックにもよく載っていて、そういうのは自分はそそられないものの、見るだけなら無料なんだから見ておこうと途中下車した。

この派手なコンコースは光之穹頂という作品で、イタリアのステンドグラスアーティストが作った作品なんだとか。ちゃんとガラスでできているのだからすごい。

地下鉄に乗って新左営(シンズォーイン)へ。
ここから台湾高鐵に乗り、台北に戻る。

台北までの切符は券売機で買った。
財布の中に2000元札があったので崩しておこうと入れたのだが、おつりがまさか全部硬貨で出てくるとは思わなかった。おかげで財布が重いしジャラジャラする。



17時20分に新左営を発車。高雄の市街地を北上する。



10分も走れば田んぼが広がる。
この列車は台中、板橋、終点の台北にしか止まらない速達タイプで、最高速度300km/hで走る。



意外と山の中を走ったりもする。



雨は止んでいて、時々雲の隙間から夕日が差し込む。
台湾での日々が過ぎていく。



桃園国際空港から飛び立つ飛行機が見えたら、終点の台北まであと少し。

定刻の19時10分、終点の台北に到着した。

-海外旅行と食事-



時間も時間だし腹が減る。
地下鉄に乗って雙連駅(シュアンリェン)で下車。駅から10分ほど歩くと寧夏夜市がある。
寧夏夜市は飲食店が多いとのこと。あと、最寄りの雙連駅も、台北駅から2駅だけと近いから便利だ。

実はタイに行ったときもそうだったけど、海外に行くと日本ではあまり馴染みのない匂いが漂っていたりする。それが食欲を刺激するという人もいれば、逆に食欲がなくなるという人もいる。
台湾に来て3日経つが、自分はまだ台湾の屋台の匂いに慣れずにいた。

腹は減っているが食欲がなくなる。八角の匂いも馴染みがないし、臭豆腐の匂いも強烈だ。納豆は大好きだから臭いものは大丈夫だと思っていたが、そもそも匂いの種類が違っていた。納豆とは違う臭さだ。こぼした牛乳を拭いた雑巾。履き続けた靴下の匂い。いや、なんと形容していいのか分からない臭さだ。



腹は減ってるけど食欲があまりないという妙な状況のまま夜市をうろうろして、とりあえず入ってみたのが李家香無刺虱目魚というお店。
外にキッチンがあり、奥にテーブルがあるという台湾ではよくある形式のお店だ。



伝票に自分の食べたいものの個数を記入して店員さんに渡す。これも台湾のお店ではよくある。言葉が分からなくても注文しやすいので楽だ。予め値段も書いてあるのでぼったくられる心配もない。





どれだけ食べられるか分からなかったので、とりあえず鶏肉飯と鮮蛤湯を頼んだ。
鶏肉飯はそのままだし、鮮蛤湯も漢字からして蛤のスープだろうと思った。しかし、蛤にしては小さい。ちょっと調べてみたら、どうやらアサリも蛤と書くことがあるとか。

鶏肉飯も鮮蛤湯もあまり独特の匂いはなくて食べやすかった。鮮蛤湯はアサリがぷりぷりしてておいしかった。できればまた食べたいと思ったぷりぷりのアサリ。

台湾ではよくスープに細切りの生姜が入っているけど、これ結構いいですね。料理のアクセントとしてもいいし、ちょっと味に飽きたときにポリポリ食べてみたりとかしてもいいし。アサリの下に隠れてほとんど写ってないですが、この鮮蛤湯にも細切りの生姜が入っています。



空腹も満たされたので、夜市をぶらぶらします。
なんだかすごい行列ができてるお店を発見。
蚵仔は日本語で牡蠣のことです。台湾のメジャーな料理なのか、ガイドブックにも定番として牡蠣のオムレツの名店がいくつか載っていたりするので、多分ここも有名店なのかも。

空腹の時に行列に並ぶって結構大変なんですよねぇ・・・。
本当はこういう並んでいるお店を狙っていった方がいいのは分かるんですけど。



食後のデザートとして、屋台で愛玉子(オーギョーチー)のジュースを買いました。
愛玉子は台湾にのみ自生している植物で、水の中で揉むと寒天のように固まる性質がある。そのため、ゼリーが売られているのをよく見かける。
愛玉子に味はほとんど無いので、レモンなどで味付けされている。ぼくの買ったジュースもレモン味だった。皮までしっかり絞ったのか、皮の渋みまでしっかり入っていて、レモン好きには嬉しかった。

ということで、3日目も無事に終わったのでした。

【続きはこちら↓】

台湾の鉄道に乗りまくったお話 1日目
台湾の鉄道に乗りまくったお話 2日目
台湾の鉄道に乗りまくったお話 4日目
台湾の鉄道に乗りまくったお話 5日目
台湾の鉄道に乗りまくったお話 6日目
台湾の鉄道に乗りまくったお話 最終日

0 件のコメント:

コメントを投稿