今日は青ヶ島を散策することに。
宿を出ようとしたら、女将さんがお昼ごはんを持たせてくれました。
青ヶ島は火山の島です。今でも地表からもくもくと湯気が出てる場所があります。
その湯気を利用して調理ができる地熱釜があるので、そこで蒸す食材を用意してくれました。
曇っているのが残念ですが、海が見えます。
風の音と波の音が素敵です。
集落からしばらく歩くと、島で唯一のお寺である清受寺があります。
神社と言うより民家に見える・・・。
ああっ、なんて綺麗な海なんだ。同じ太平洋でも江ノ島あたりとは全然綺麗さが違うんだなぁ。太平洋は汚いなんてイメージを持っていて申し訳なく思った。
ほんと、曇っているのが残念だ。昨日も言ったけど、今度は晴れてる時期に来たいです。
青ヶ島の集落は全てカルデラの外側、台地になっている岡部地区というところにあります。
目指す地熱釜はカルデラの内側にあるので、このようにカルデラの外輪山を切り込むようにして内側へと入っていきます。
ここが東京都であることを忘れていましたが、「都道」と書かれているので間違いなく東京都です。
カルデラの外輪山を横切り、カルデラの内側へと入ると海は見えなくなりました。そして、お皿に盛ったプリンのような形が特徴の丸山が見えて来ます。地元ではお富士様と呼ばれています。
特徴的な縞模様は自然にできたものではなく、木を一定間隔で植えたらしましまになったとのこと。
平成流し坂トンネルです。右に分かれてる道が元々あった道路ですが、とても狭くて急な道です。
トンネルが苦手な自分はその旧道である流し坂を歩こうと思ったのですが・・・
苔がびっしり。
これは確実に滑る。写真では分かりづらいけど、かなりの斜度です。
覚悟を決めてトンネルを歩くことに。
長さ237メートルの短いトンネルですが、風がびゅーびゅー通り抜けていくので音が不気味です。
さらに素堀でコンクリを吹き付けただけというのがまた雰囲気が出てます。
ダンプとか来たらどうしようとか思いながらトンネルを抜けると、先ほどの丸山がより近く、より低い位置から眺めることができます。
ちなみに、こんなのどかな島にダンプとか走ってるわけないだろって思われるかもしれませんが、至る所で道路や港の修復や改良工事が行われているので、大型車両は結構頻繁に走ってます。
急な坂をずんずん下りながら、カルデラの内部へと進んでいきます。
歩けば歩くほど360度を囲む壁が高くなっていきます。
自分がどんどんカルデラの底に沈んでいくような感覚は、少しの不安と好奇心をかき立てます。
カルデラと言えば阿蘇山を思い浮かべるけど、さすがにでかすぎてカルデラの中心へと沈んでいく感覚は味わえない。小さな火山だからこそ味わえる感覚なんだなと思った。
歩くのを諦めた流し坂と再び合流。
これは歩かなくて正解だったわ・・・。
トンネルができる前は車もこの坂を走っていたんだよな・・・?
坂をひたすら下ります。
下れば下るほどカルデラの外輪山が高く見える。
頂上のあたりは雲がかかっている。
分かりにくいが、草の生えてないところから湯気が出ている。
このように地中から蒸気が吹き出ているところを地元の言葉で「ひんぎゃ」と言う。「火の際」が訛ったものだという。
集落から歩いて90分ほどで地熱釜のある場所に到着。
ちなみに写真の左端に白い建物が見えるけど、地熱を利用したサウナです。
自然のエネルギーを利用してるので、日によってサウナの温度も変わるようです。
想像してたより釜のひとつひとつは小さかったが、一人なので十分だ。
釜の蓋を開けるとかごが入っているので、その中に食材を入れます。
芋、卵、ウインナー、魚の切り身を蒸します。
かごを釜の中にセット。
これ、絶対に忘れないでくださいね。
釜の下にあるバルブをひねってください。そうしないと蒸気が出てこないので。
バルブをひねると、蒸気の出てくる音が聞こえます。
もっと勢いよく出てくるものだと思ってたので本当に蒸すことができるのか少し心配だけど、釜の蓋を開けてみれば確かに熱い蒸気が出ていました。
使い終わったらバルブを閉めてください。
食材を蒸す時間ですが、火の通りやすいものは15分ほど、火の通りにくいものは30~40分ほどでできます。
地熱釜の近くをうろうろ。
はっきりと地中から吹き出る蒸気が見える。
作業服を着たお兄さんと遭遇。
話をすると、仕事で青ヶ島に来ており、今日の船で帰るそうで、船が来るまで暇を潰してたところという。
水曜と木曜は船が来ない日なので、今日船が出てくれなければ困ると話していた。
このときぼくは、半ば他人事のように他愛もない世間話をしていた。
船が来なければ閉じ込められるんだな~と、なんとなく思っていた。
そうこうしているうちに火の通りやすいものは蒸し上がった。
写真には撮っていないが、弁当箱に大きなおにぎりが2個入っていた。
まずは卵からいただきます。
見た目はゆで卵だが食感はゆで卵ではない。黄身も白身もしっかり固まっているが固くはなく、ふわふわした食感だ。
青ヶ島で作られているひんぎゃの塩を付けて食べるとさらにうまい。というか塩もうまい。あれ?塩ってしょっぱいものじゃなかったっけ?しょっぱいけどなんだろうこの旨味。
一人でうまいうまいと盛り上がっているが、アラサーのおじさんが一人でピクニックをしている光景は端から見ると滑稽かもしれない。
30分ほどで芋も蒸し上がった。
芋を割ったら綺麗な金色が・・・。
いくら一人旅とはいえ、テンション上がりまくり。
しかしこの芋、色がジャガイモっぽいけど、味は甘くてサツマイモっぽかった。
ほくほくに蒸し上がっているのは言うまでもない。
芋ふたつにおにぎり2個はかなりきつかったな・・・。
とりあえず、腹を減らすためにうろうろしながら帰ることに。
余談だけど、食後にトイレを借りるために地熱釜の隣にあるサウナのトイレへ行ったんだけど、蛇口から出てくる水が熱かった。水道も地熱で熱せられているのだ。
カルデラの中心にあるのが池の沢集落だが、現在は住んでる人はいない。
このブランコが寂しく佇む空き地も、元々は島庁があった場所である。
島庁があったと言うことは、この池の沢地区が昔の中心地だったのだろう。
しかし今では、火口の近くに住むのは危ないということから現在の岡部地区に住むようになったとのことだが、検索してもなかなかそのような話は出てこない。どこで見たんだろう・・・。
とにかく、集落があったから庁舎も池の沢にあったのだろう。
池の沢地区を歩いていると朽ち果てた家や、ごはんを炊いてたと思われるでかい釜が道端に転がっているのを見かけた。
現在の池の沢地区は住んでる人はいないものの、畑や工場などがあり、多くの人が働いている。
この急な坂を上らないといけないのか・・・。
ほんの少し重力に逆らうだけなのに、それがなぜこんなにしんどいのか。
車もアクセルベタ踏みなのかな?すごいエンジン音とともに上っていく。
たまに静かに上っていく車もあるが、それは電気自動車だ。青ヶ島は電気自動車が多い。
かなり上ってきた。しんどいが達成感がある。
外輪山を越えたため、再び海が見えるように。
島の治安を守る駐在所。八丈島警察署と書いてある。
宿での夕飯は18時から。
とても健康的な時間に夕飯が食べれるわけだが、早く食べれば当然夜に腹が減る。
ちょっと何か買いに行こうと思ってもコンビニなどない。
実は昨日、空腹に耐えながら寝たので、その反省を生かして島で唯一の商店である十一屋酒店に来た。
酒店と言っても、お菓子や野菜、お肉、ちょっとした日用品も売っているスーパー的な存在である。
お会計の時にお店の人が、今ちょうどテレビで船が着岸するのを観てたと言う。
どうやらあおがしま丸は無事に着岸したようだ。
と言うことは、地熱釜で出会った作業服のお兄さんは無事に帰れたということになる。
宿に戻ってテレビをつけると、船はまだ港にいた。
この後すぐに出航していったけど。
そういえば選挙の時期だが、青ヶ島にもこうやって選挙ポスターを貼るための板が設置されていた。
宿で一休みしたら、今度は尾山展望公園に行くことに。
青ヶ島には当然、ダムもため池もないので、水を確保するための取水施設が存在する。
こんな看板初めて見た。
山肌に緑色のシートが張られているが、これが取水施設である。
ここで雨水を集め、浄水して各家庭や施設へと水道管を通じて水が流れていく。
砂利道をひたすら歩く。
尾山展望公園に着いた。
岡部地区が見える。
ヘリポートや学校、自分が泊まっている宿など、集落全体が見渡せる。
そして振り返れば、さっきまでいた丸山と池の沢地区が見渡せる。
地熱釜のあるサウナもはっきりと見える。
曇ってはいるが、自然を感じる素晴らしい眺めだ。
綺麗な景色を見るとなぜか涙が出そうになるんだけど、久々に涙が出そうな風景に出会えた。
なんだか生きてることを実感する。
風がとても強く、頭上の雲は低く、すごい早さで流れていく。
厳しい自然の中で生きてきた人々の歴史があって、その上に今の生活が成り立っているわけだもんなぁ。
しかもこの青ヶ島においては、島が噴火して島民の半分は死に、残った人も八丈島に避難。さすがにこのような大惨事に見舞われたら故郷を捨てて生きなければならないと思うかもしれないが、それでも無人島になった青ヶ島に40年かけて戻ってきた歴史があるんだもんなぁ。人間の逞しさを感じるとか、そういう安易な感想では済ませられない何かを感じる。
ちなみに尾山展望公園からの帰りに台風のような強い風が吹いて、穏やかな瀬戸内海で育った自分はビクビクしながら帰ったのでした。
夕飯は見ての通り、とても家庭的なメニューだ。
ちなみにお刺身は毎晩出てくる。
野菜が多いのもおじさんにはありがたい。
ということで、青ヶ島での2日目が終わったのでした。
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