2016年5月6日金曜日

九州横断ツーリング 出発と1日目

※この記事はtumblrに書いたものを加筆、訂正の上、当ブログに移したものになります。

ある日、自転車でどこかへ行きたいなと思い、阿蘇へ行くことにした。今の季節ならとても気持ちいいだろう。そう思った。


image

旅の始まりは松山観光港から。ここから小倉へ行くフェリーに乗る。
自転車は車両扱いなので、古いターミナルでの受け付けになる。
トラックのドライバーがやってきては、窓口のお姉さんと話をしていた。みんな顔なじみなのだろう。そんな感じの会話だった。
それにしても、フェリーの衰退っぷりはひどい。
松山から出る大型のフェリーは、小倉行きしか残っていない。写真の航路図が寂しい。


image

21時になると係員に案内され、フェリーに自転車を積み込む。部屋は2等寝台で、2段ベッドになっている。
部屋で荷物の整理をしていると、あとから入ってきたおじさんに、自転車で旅をしているのかと聞かれる。
自転車は車両甲板においてきたはずなのになぜ分かるのかと思っていたら、
ターミナルでぼくが自転車を積み込むのをたまたま見ていたらしい。
フェリーは朝5時に小倉に着く。朝が早いので、おじさんと少し話してベッドに入る。


image

早朝5時。フェリーは定刻通り、小倉港に到着した。
このフェリーでは朝7時まで船内で休憩できるのだが、自転車を含め、
車両は一旦船から降ろしてからの休憩になるので面倒だし、
盗まれても困る。だから船内で休憩せずに、近くを走ることにした。



image

工場の煙突が北九州らしさを醸し出す。
とりあえず関門海峡へ向けて走ることにした。


image

逆光で分かりにくいが、煉瓦造りの立派な建物がある。


image

しばらく行くと道路は高台を走っていた。見下ろすと海峡を挟んで下関の街が見えた。


image

九州鉄道記念館があったが、早朝6時に開いているわけがない。
しかし、入口から電車を撮影することができた。


image

和布刈神社に到着。和布刈と書いてめかりと読む。一発で読むのは無理だ。


image

神社は小さいが、なかなか歴史のありそうな雰囲気だった。


image

神社の近くから関門大橋が見える。
しばらく休憩して小倉駅に引き返そうと思ったが、
そこまで行かなくても門司港駅が近くにある。だからそこから輪行することにした。


image

九州の鉄道の起点、門司港駅に着いたが、駅舎は工事中で残念な姿になっていた。
ここで自転車を分解して、輪行袋に入れた。そして、熊本までの切符を買った。


image

木造の屋根に古い電車。雰囲気がいい。


image

小倉から新幹線に乗り換えて熊本までやってきた。
真っ白な駅舎はいつ見てもおしゃれですばらしい。
私はここで自転車を組み立て、阿蘇に向かうことにした。


image

阿蘇に向かう前に、最近熊本電鉄でデビューした、元東京メトロ01系が気になったので北熊本へ来た。
しかし、走っていたのは青ガエルだった。翌日だったか、旅館のテレビで、
熊本電鉄で新型車両がデビューと言っていたので、
もしかしたら写真を撮った日はデビュー前日だったのかもしれない。


image

熊本から阿蘇まではたいして距離はない。


image

しばらく走ってお隣の菊陽町に入る。道路は道幅も広く走りやすい。ずっと地方都市にありがちな光景が続く。


image

いかにも地方都市の郊外という風景。


image

次第に建物も少なくなり始めて・・・


image

ついに阿蘇の外輪山が見えてきました。この時点でかなりテンションが上がってました。


image

傾斜もそれほどきつくなく、山に入っても道路は上下2車線ずつのまま。広くて走りやすい。


image

阿蘇へ続く道を走っていて気づいたのは、アップダウンを繰り返しながら上っているということ。
地形がうねっているのだ。
こういう道は松山で育った自分には珍しく感じる。四国の道路は一気に上って一気に下るところが多い。


image

13時頃、阿蘇市に入った。


image

赤水駅付近で国道57号と分かれ、ミルクロードを目指す。


image

田植えをしたばかりの田んぼが広がる。のどかな風景が広がり、気分が高揚する。


image

そんな大げさな・・・と思ったのだが、2日目に積もった灰を見ることになる。


image

10パーセントほどのきつい傾斜が続く。ちょっと上ると、このように木の生えてない風景が広がる。


image

休憩しようと立ち止まり、ふと街の方角を見るとこの景色。つづら折れの道に田んぼ、
そして山。自分の好きな風景がこれでもかと言うほど詰め込まれた景色がそこには広がっていた。
思わずため息が漏れる。


image

きつい坂道を走ってミルクロードに合流する。しかし、この先もまだまだきつい坂道が続く。
ちなみにミルクロードは名前の通り、牧場の多いところを走る。


image

このまま天国にでもつながっていそうな階段があった。


image

この何気ない石畳の道は、肥後と豊後を結ぶ重要な街道だったそうだ。
江戸時代に入り、参勤交代制度ができると、多くの人たちが行き交ったそうな・・・。
今はひっそりと佇むだけ。


image

8パーセントほどの坂道がずっと続く。


image

緑一色の草原に青空。こんなに美しい景色を見れるなんて幸せ者かもしれない。


image

ミルクロードの途中から分岐する、ラピュタの道という道路がある。
俗っぽい名前だが、ここから見る景色は有名で、見ての通り観光客の車がたくさん止まっている。
私が訪れたとき、ラピュタの道は車やバイクは通行止めだった。
※追記 2016年5月6日現在、熊本地震の影響でラピュタの道は崩落しています


image

ラピュタの道から撮影。かなり高いところまで上ってきたんだな。


image

ボコボコとうねってる草原。地球というのがひとつの意志を持った生命体に感じられる。


image

ミルクロードの終点付近にあるレストランにある売店でソフトクリームを買った。
このお店にたどり着き、お店のおばちゃんの顔を見た瞬間にしんどかった~と声が漏れた。
私はおばちゃんと話しながら、うまいうまいとソフトクリームを食べた。


image

きつい山道を上り、苦労してみる景色、そしてソフトクリーム。最高のひととき。


image

売店のおばちゃんが言うには、ここから先は下りだから楽だとのこと。
おばちゃんの言うとおり、下り坂が続く。


image

上り坂はあんなにしんどくて時間がかかったのに、あっという間に下って内牧温泉に入った。
宿はこの内牧温泉にある。


image

宿は蘇山郷という温泉旅館。ここは従業員に自転車をやってる人がいて、
私のように自転車で旅をしている人に理解のある宿で、
なおかつ一人からでも泊まれるという親切なところなのだ。


image

与謝野晶子夫妻も泊まったと言われる歴史のある宿である。


image

部屋は6畳の和室。シンプルだけど、一人旅には十分だ。古いながらも洗面台やトイレなど、
水回りはリニューアルされ、清潔に保たれていた。
チェックインの際に、その自転車をやっている従業員さんから
おすすめのサイクリングコースなどを教えていただいた。
その際に、熊本から57号を走ってここまで来たと言ったらびっくりされ、
あの道は走りにくかったでしょうと言われた。
従業員さん曰く、交通量が多いから走りにくいとのことだったが、
道路も阿蘇市の手前までは上下2車線だし、走りやすかったというのがぼくの印象。
さて、疲れた体には温泉と言うことで、この宿には貸し切り風呂が2種類ある。
一人でも借りれるので、早速借りることにした。


image

風呂上がりには、宿の売店で見つけた飲むヨーグルトを飲んだ。これは飲んでびっくりした。
普通の飲むヨーグルトではない。とても濃厚な味ととろみがある。
あとでフロントの人に聞いたら、近くの酪農家さんが作ってるんだけど、
その酪農家さんは数々の賞を受賞してるすごい酪農家さんだそうで、
この飲むヨーグルト自体も受賞したことがあるとのこと。
ちなみに1本250円とかなり高いけど、飲む価値はあります。
さて、温泉でさっぱりしたら今度は空腹を満たさなければなりません。
フロントでもらった内牧温泉のパンフレットを見つつ、どこにしようか考えます。


image

やってきたのはとある焼肉屋さん。地元で育ててるあか牛という牛を出している。
一人で焼肉を食べたのは初めてだったけど、一人焼肉もなかなか悪くない。


image

熊本と言えば馬刺しなので、馬刺しも頼んだ。薬味はニンニクが一番合うような気がした。


image

最後に丸腸をいただいて終わり。
お肉も柔らかくて脂もうまみがあっておいしかったです。
宿に戻って、今度は大浴場に入りました。